前回のブログ 統合医療に向けて の中で
自我の要求を 果たすために選んだ世界は 自我で運営される世界を みせてきました と書きました
なんじゃコレ!
と思わせる 私の垣間見た アカデミックな世界
それは 研究費を 得るための研究を 毎年重ねている 実情でした
私は助教授に 「なんで重箱の 隅をつつくような研究 ばかりするのですか?」 と 今思えば随分と 酷いことを素面で 言いました
チャレンジも フィロソフィーもない 必ず論文になる 目星のついたテーマの研究を 海外の似たような思考の 研究者と投稿の スピードを競いながら 繰り返すように 行っていたことについて 言ったのですが
そんな私の不敬な 言動に対して
助教授が 「重箱の隅をつつくことは いけないことですかね」 と、 怒ることもなく 笑いながら平然と 返答されました
そのことが ショックで 私は研究室を去ることを 実は決意したのでした
こんなエピソードも あります
ある大手企業が 共同研究を申し入れて きたのに それを断った助教授に 「なんで断っちゃうんだ」 と、酔って絡んだことが あるそうです (↑全然覚えていない)
ちなみに 人生で記憶をなくす 飲み方をしたのは 3回だけです(多すぎか)
翌日 「すごかったよ」 と、助教授にも 助手の先生にも 言われたのですが
「大変だから」 というような趣旨で 共同研究を お断りしたことについて やりたい研究ができる チャンスなのに 断るなんてと その表面だけを捉えて 絡んだようでした
今思うと 下手に利害関係を結んで 不本意な研究をすることに なって忙しくなるより 目先のお金にとらわれなかった 助教授の判断は 尊かったのだろうと 思います
アカデミックの世界を 離れたことについては 本当に無知な子供が 言いたいこと言って 出て行っちゃった という感じで 無責任を極めていますが (親のこころ子知らず)
その場を離れることで 私は次の場である 医療の現場を 見ることができました
わがままな私を 入る時も出る時も 温かく見守って くれた研究室自体には 感謝の気持ちで いっぱいなのです
その後 国立大学が法人化される という事態をみて 本命のメインの研究を 行える研究室が 少なくなっているのは 日本全体の問題になって いるのだろうなと なんとなく感じました
しかしそれが 本当に直面している 大きな問題なんだな と改めて思わされたのは
大隅良典博士が ノーベル賞を 受賞されたときの インタビューです
ここに 自分のエピソードと 並列するように 書かせていただくのは 憚るべきところですが 無知を盾に 遠慮せず書かせて いただきます
インタビューの中で 大隅博士は 学術界の危うい現況を 端的なお言葉で コメントされておられました
受賞時のコメントを 探して貼っておこうかと 思ったのですが 博士のその続きの言葉を 見つけましたので ご紹介します
こちらは 日刊工業新聞の記事 ですが 博士の言葉に 「生物学が医学に 従属してしまった。 医学に役に立たない 生物学は存在しない ことになっている」 とあります
すぐにデータ化、商品化 されないものは テーマとして あげられないので、 真理の解明のための科学は すぐに見えるものしか 真理でないかのように なっているということ ではないでしょうか
それが顕著にでてくるのは 医薬業界になってしまう というのは もう、最初から 決まっていることに なります
学術の世界が 目先の論文の数や 研究内容の 見栄えや過大主張に 偏重していったことは
科学を支える側 支えられる側の両者で 作り上げたものでも あります
目先に見える 表面だけを 重視するあり方は 今、ものすごく 蔓延しています
我が子に対してすら そのように臨む親が 多くなってしまったのでは ないでしょうか
先に引用いたしました 日刊工業新聞の記事の中に 『役に立つ』ことを 求められてきた弊害が 現れている とあります
その 表面だけを 重視するあり方
根っこのないものを 一生懸命つくっている あり方を
追い求めるように なった下地は どこでできたか、 皆で考えてみなければ なりません
本来望んでいる姿との 隔たりが 社会現象としてあちこちに 見られるようになっている今
仕方ないと 目をつぶって 結果として仕組みつくりを 共にしてきたことを 認め
なんじゃコレと 見えた世界を 目を開いて直視して 動くことが 求められていると思います
この隔たりを補正するよう 動かなければ その補正の結果が出てくる前に 子供たち、孫たちの代は 倒れてしまう可能性のある ギリギリのところに あるかもしれません
現に今は ギリギリのところにある といいますより 若者の死亡原因が 「自殺」という現状は ただならぬ状態にあります
下地は たとえ組織に所属していても 個々の者が 集まりつくっています
ひとりひとりが 根をはるしかありません
大隅博士は 啓発とその実行として 財団をつくられておいでです 大隅基礎科学創成財団
製薬メーカーが こころから賛助するような 時代に変遷することを 願うばかりです
個人でも賛助が可能です
自分に対する 意志表明として 未来へ投資されるのも 良いのではないかと おもいます
これも「祈り」の ひとつのかたちです selfcareSupport 長塚
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